【体験談】ベトナムの食文化入門|定番ローカルフード10選

【体験談】ベトナムの食文化入門|定番ローカルフード10選

はじめに|「結局、日本食ばかり…」になっていませんか?

4月前後は、ベトナムへ新しく赴任する日本人駐在員が増える時期です。

実際、ベトナムに来たばかりの頃は、

  • 「ローカルフードに興味はあるけど、衛生面が不安」
  • 「Phở、Bún、Miếnって麺の種類がたくさんあるけど…?」
  • 「気づけば、結局日本食ばかり食べている」

という方も少なくありません。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。
ただ、もしこれから数年ベトナムで働いて暮らすであれば、ぜひ「ローカルの食文化」にも触れるべきです。

ローカルフードが教えてくれること

私はこれまで、仕事柄ベトナム人家庭を訪問する機会が多く、1年間で400軒以上のご自宅を訪問しました。
そして、毎回と言って良いほど、食事やデザートやお茶などをご馳走になりました。
(『【体験談】ハノイの家400軒に訪問して分かった住宅事情のリアル』も良ければお読みください。)

また、普段の生活でもローカル食が多く、毎日ベトナム料理を食べています。

そんな経験を通して感じること。
それは、「食を知ることは、ベトナム人を知ることに繋がる」ということです。

ベトナムのローカルフードは、単に安いだけではありません。

  • ベトナム人の価格感覚
  • 人との距離感やベトナムでの食事マナーのリアル
  • 生活リズムやベトナム人にとっての「普通」の基準

といったような、その国の価値観が詰まっています。

特に、現地スタッフと働く日本人駐在員にとって、ローカルを知ることはビジネス面でも大きな意味があります。

そこで今回は、ベトナム生活初心者の方向けに、「なぜローカルフードを食べるべきなのか」「挑戦したい定番ローカルフード」について、実体験ベースで解説していきます。

なぜローカルフードを食べるべきなのか?

① ベトナム人の大衆での「価格感覚」がわかる

海外における「価格感覚」は、生活でもビジネスでも重要です。

例えば、日本人からすると、「この価格なら安い・高い」と感じても、ベトナム人からするとその感覚が全く違うことがあります。

特にローカル食では、5,000VNDの価格差で、高い安いの判断が分かれます。
*参考:『【現地情報】ハノイのリアル物価|5,000VND(30円)の重み

もちろん都市部・職種・所得によって差はあります。
ですが、ローカルフードを日常的に食べることで、「現地の人は、どのくらいの価格帯を普通と感じているのか?」が感覚的に理解できるようになります。

これは、マネジメント、営業、マーケティング、なにをする上でも非常に重要です。

② ベトナム人との会話が広がる

ローカルフードで、ベトナム人スタッフとの距離感が縮まることがあります。

例えば、

  • 「昨日ブンチャー食べたよ」
  • 「フォーは北部派?南部派?」
  • 「おすすめのバインミー屋さん教えて」

こういった何気ない会話は、入口です。
なぜなら、ベトナムでは食の話題はコミュニケーションに深く関わるからです。

実際、ベトナム人同士でも、次の言葉が挨拶のように使われます。

Ăn cơm chưa?「ご飯食べた?」

つまり、ベトナム人にとって「食」は、人間関係そのものです。

③ ローカルを知ると、ビジネスの視野が広がる

これは個人的に非常に大きいと感じています。
例えば、ローカルで食事を取ると、

  • 店の回転率
  • 接客スタイル(そもそもないに等しいレベル)
  • 注文スピード(ベトナムではかなり大事)
  • 客層
  • 若者文化(日本人には理解が難しい感覚)
  • 支払い方法

など、日本とは違う文化が見えてきます。

つまり、ローカルフードを食べることは、市場を見ることに繋がります。

特にベトナムでは、「日本人コミュニティだけで生活する」ことも可能です。
しかし、それだけでは見えないベトナムも多い。

だからこそ、現地の人が普段食べているものを実際に食べてみることは、価値があるのです。

ローカルフードは衛生的に大丈夫?

これは、多くの日本人が気になる点でしょう。

結論から言えば、「店選びは大事だが、必要以上に怖がる必要はない。」が、実生活での感覚です。

もちろん、日本と全く同じ衛生基準ではありません。
そのため、お腹が緩い人や潔癖症の方にとっては、「明らかに不衛生なお店」「人が全然入っていないお店」「食材管理がどう考えても怪しいお店」などは避けた方が良いでしょう。

一方で、

  • 地元客だけでなく観光客で混んでいる
  • Googleレビューを意識していて評価が高い

といったお店であれば、安心して食べられるケースも多いです。

最初は、有名店から挑戦したり、混雑店を選ぶことを意識すると、入りやすくなります。

また、香草が苦手な方は抜けます。
もし、氷が気になる場合は「Không đá(氷なし)」で対処できます。

最初から完璧にローカル化する必要はありません。
まずは、自分のペースで少しずつ挑戦してみることが大切です。

ベトナム定番ローカルフード10選

ここからは、私がこれまで実際に食べた中から、『おすすめのベトナムローカルフード10選』を紹介します。
また、それぞれの料理ごとに、実際に私自身が足を運んで食べた“ハノイのおすすめ店”も1店舗ずつ紹介します。

日本人にも有名なお店から、地元ベトナム人の間で親しまれている隠れた名店まで、幅広く選びました。
そのため、「まずはどこから挑戦すればいいかわからない」という方も、ぜひこのリストを参考に、ベトナムのローカルフードにチャレンジしてみてください。

① Bún chả

Tuyết Bún Chả 34 の Bún chả
ブンチャー

もし、「最初にハノイらしい料理を一つ食べるなら?」と聞かれたら、“Bún chả”(ブンチャー)をおすすめします。

ブンチャーは、「炭火焼きの豚肉・甘酸っぱいつけダレ・Bún(米麺)・香草や野菜」を組み合わせて食べる、ハノイ発祥のローカル料理です。

日本人にとっても比較的食べやすく、「炭火焼肉に近い感覚・さっぱり感・香ばしさ」があり、ローカルフード初心者も食べやすい料理です。

② Bún mọc

Bún mọc Thủy の Bún mọc
ブンモック

Bún mọc(ブンモック)は、「豚骨ベースの優しいスープ・Mọc(豚肉のつみれ)・米麺・きくらげやハーブ」などを組み合わせた、ローカル麺料理です。

派手さのある料理ではありません。
ですが、日常食感の強い料理で、ローカル感を味わえます。

日本人が割と食べやすいため、香草やクセの強い味が苦手な方でも挑戦しやすい料理です。

③ Phở gà trộn

Phở Hạnh の Phở gà trộn
フォーガチョン

“Phở gà trộn”(フォーガーチョン)は、「gà(鶏肉)・Phở(フォー麺)・香草や野菜・甘辛酸っぱいタレ」などを混ぜて食べる、汁なしタイプのローカル麺料理です。(”Trộn”は混ぜるという意味です。)
一般的なスープのあるフォーとは違い、タレと具材をよく混ぜて食べるのが特徴です。

日本人にはまだそこまで知名度が高くない料理ですが、ハノイ民には大変人気があります。

「普通のフォーは食べたことがある」という方に、次の一歩として挑戦してみてほしい料理です。

④ Heo quay (Lợn quay)

Thịt quay Vạn Thành の Heo quay
ヘオクアイ

“Heo quay”(ヘオクアイ)は、豚肉を皮ごと香ばしく焼き上げた、ベトナムの定番ローカル料理です。

パリパリに焼かれた皮と、ジューシーな豚肉の組み合わせが特徴的です。
ご飯と一緒に食べたり、麺料理に乗せたりと、日常的によく食べられています。

見た目は少し重そうに感じるかもしれません。
ですが、実際に食べると、香ばしさと塩気のバランスが良く、日本人の口にも合います。

⑤ Bún bò Huế

Bún Bò Huế Nghĩa Tân の Bún Bò Huế
ブンボーフエ

“Bún bò Huế”(ブンボーフエ)は、「牛肉ベースのスープ・米麺・牛肉や豚肉・香草や野菜」などを組み合わせた、フエ発祥の麺料理です。

フォーより旨味が強く、少しスパイス感があります。
ベトナム人の中にも熱烈なファンが多いですが、日本人の中では好き嫌いが分かれる料理です。

実際に食べると、牛骨の旨味やレモングラスの香りが効いていて、奥深さがあります。

⑥ Xôi

Xôi Gia Truyền Bà Thu の Xôi
ソイ

“Xôi”(ソイ)は、もち米を蒸して作るローカルフードです。
日本語でいう“おこわ”に少し近い感覚です。

ベトナムでは日常的な食べ物なため、朝食として親しまれています。

Xôiには様々な種類があります。
そのため、「鶏肉・豚肉・卵・パテ・揚げネギ・緑豆」など、店によってトッピングも異なります。

また、甘いタイプのXôiやアイスと一緒に食べるタイプもあり、デザート感覚で食べられているものもあります。

⑦ Bánh mì

Vua Bánh Mì Heo Lu Giòn Tan Phúc An Lộc の Bánh Mì
バインミー

“Bánh mì”(バインミー)は、フランスパンに、「ハム・焼豚・パテ・卵・なます・香草」などを挟んだ、ベトナムを最も代表するローカルフードです。

赤ワインソースシチューと一緒に食べるタイプやステーキと一緒に食べるタイプなど様々あります。

もともとはフランス統治時代の影響を受けて生まれた料理。
フランスとベトナムの文化が融合した食べ物の一つです。

また、バインミーの味は、他の料理以上に、お店によって異なる印象があります。

⑧ Cháo

Cháo lòng Ô quan chưởng の Cháo
チャオ

“Cháo”(チャオ)は、お米をじっくり煮込んで作るベトナムのお粥です。

米の食感を残すタイプもあれば、形状がわからないドロドロな状態まで煮込むタイプもあります。

朝食や夜食、体調が悪い時など、幅広いシーンで食べられています。

また、Cháoに入れる具材も様々で、「鶏肉・豚肉・内臓・魚・ピータン」など、店によって異なります。
ベトナム人にとっては、 Quẩy という揚げパンを一緒に食べるスタイルが定番です。

⑨Ốc hương sốt trứng muối

Ốc hương sốt trứng muối
オックフオン・ソット・チュンムオイ

“Ốc hương sốt trứng muối”(オックフオン・ソット・チュンムオイ)は、巻貝を塩漬け卵ソースで炒めた、ベトナムの人気シーフードです。

海鮮文化が強いベトナムでは、貝料理は身近な存在です。
そのため、夜になるとローカルの貝料理店に多くの人が集まります。

その中でも、”Ốc hương sốt trứng muối”は人気が高く、「貝の旨味・塩卵のコク・バターのような濃厚感・甘じょっぱい味付け」が特徴的です。

日本人からすると少し珍しい料理に感じるかもしれません。

⑩ Bánh cuốn

Bánh cuốn Bà Xuân の Bánh cuốn
バインクオン

“Bánh cuốn”(バインクオン)は、薄く蒸した米粉の生地に、ひき肉やきくらげなどを包むローカル料理です。

もちっとした食感、優しい味付け、ヌクマムベースのタレなどが絶妙に合わさり、どこかホッとするような味わいがあります。
そのため、軽食や夜食として食べるのにも適しています。

店頭で生地を一枚ずつ蒸して作っているので、職人のような手際を見るのも面白いです。
私が初めてベトナムに来た際に、連れて行ってもらって食べた料理でもあります。

おわりに|ローカルフードでベトナムを知る

ベトナムのローカルフードには、「人々の暮らし・価値観・日常・人との距離感」といった、その国らしさが詰まっています。

そして、海外進出においても海外移住においても、表面的な理解だけでなく、ローカルを知ることは非常に大切です。

もちろん、最初は不安もあると思います。ですが、まずは一歩だけでもローカルへ踏み出してみると、ベトナム生活が一気に面白くなるかもしれません。

もし、

  • ローカル文化をもっと知りたい
  • 市場感覚を理解したい
  • ベトナム人のリアルな暮らしを見てみたい

という方がいれば、ローカル同行や市場調査が可能ですので、お気軽にご相談ください。

ベトナムという国を、まずは「食」から楽しんでみてください。