【体験談】ベトナム駐在員が直面した「予想外の出費」とは?

【体験談】ベトナム駐在員が直面した「予想外の出費」とは?

駐在生活は想像以上にお金がかかる

「駐在員=会社が全部お金を出してくれるから安心」

多くの人がそう思いがちですが、実際に生活を始めてみると想定外の出費が次々と発生します。特にベトナム駐在では、生活習慣の違いやデータ不足から、赴任前に気付かない支出が多いです。

今回の記事では、実際の駐在員が経験した「予想外の出費」を体験談としてご紹介します。私が駐在員時代だった頃の実体験の情報も交えてお伝えします。

1. 医療費:ちょっとした診察が数万円に

ベトナムは医療水準が急速に発展しています。ですが、外国人が利用するのは国際病院や外資系クリニックが中心です。特に日本人の場合、日本の医療水準を求めると診療代等が高い病院を選ぶ必要があります。以下は日系のクリニックの場合の相場感です。

  • ワークパーミット用健康診断:2,500,000 VND(約1.5万円)前後
  • 子どもの夜間救急:日本円で数万円規模
  • 風邪等の一般的な診察:1,000,000VND(約1万円)前後

ベトナムでは、多くの駐在員やその家族が日本にいる時よりも体調の異変に敏感になりやすいです。デング熱やアメーバ赤痢といった病気は免疫のある現地ベトナム人でもかかるため、免疫のない日本人はよりかかりやすいと多くの方は考えます。そのため、ちょっとした異変でも病院に行きがち。会社の保険で後から返金されることはあっても、一時的な立て替え補償範囲外のケースは出費になります。

2. 教育費:学費だけでなく周辺費用も大きい

インターナショナルスクールは企業が負担してくれることも多いです。ですが、もちろん教育費はそれだけでは済みません。

  • 制服や教材
  • バス送迎費用
  • 日本語補習校の授業料
  • 習い事(ピアノ、そろばん、英会話など)の月謝

知り合いの駐在員の方は「学費は会社持ち。でも、毎月の補習校や習い事代など色々含めると10万円近くかかる。」と話していました。私が住むハノイでは、英会話教室やそろばん教室といった「学習サービス業」の分野で日系が増えています。同じ日本人としては、日系法人に依頼しがちで、やはりローカルと比較すれば、また日本の価格と比較すれば高くなりがちです。

3. 住居関連:契約外の“追加コスト”

駐在員は高級マンションやサービスアパートに住むケースが多く、油断は禁物です。

  • 電気代:意外と高いベトナムの電気代。エアコン使用で月3万円前後になるケースも。
  • 飲料水代:日本と違い水道水が飲めないため、飲料水が別途必要になる。
  • 追加クリーニング費:清掃サービスがついているもののサービスの甘さから追加で注文するご家庭も。

よくあるのが、排水の嫌なニオイ。管理会社やオーナーに連絡を取っても対応できないケースが多いです。もちろんその場合は、自分で業者を探して自分でお金を支払うことになります。都心部では発展しつつあるものの、日本と比較すればインフラが十分ではないベトナムです。生活周りで何かと出費が発生します。

4. 交通費:電車ではなくタクシー通勤

日本法人の場合、駐在員にバイク通勤を禁止しているケースが目立ちます。そのため、駐在員はタクシーで移動することが多いです。

  • タクシー代:距離にもよるが、片道で約80,000VND前後(約500円)です。
  • 渋滞による時間ロス:お金以外にも時間ロスというコストが発生します。

もちろん交通費は会社が普段することが多いです。しかし、月あたり一人の駐在員に交通費が20,000円〜30,000円が発生することを考えると、法人側としても出費が嵩むことを理解しておかなければなりません。ちなみに私の場合は普段からバイクで移動していました。バイクのガソリン代は1週間で100,000VND前後、月あたり400,000VND(約2,500円)くらいを目安にして下さい。

5. 社交費・交際費:断れない支出

仕事上の付き合いはもちろん、日本人コミュニティでの交流は出費を押し上げます。

  • 会食:1回あたり数千円〜数万円。
  • ゴルフ:1回あたり2〜3万円。
  • その他:慶弔や送別会の参加費も必要です。

ハノイの場合、リンランやファンケビンといったエリアに日本人街があります。多くの飲み会や付き合い、接待はそこで行われており、多くが日系飲食店が選ばれます。ハノイの日系レストランの飲食代は日本よりも高いことが多いので意外と出費が嵩みます。知り合いの駐在員は「毎月の飲み会とゴルフで5万円は軽く飛んでいく」と嘆いていました。

6. 一時帰国・旅行費用

長期単身で滞在する駐在員は、年に数回日本へ帰国します。その費用は意外と負担になります。

航空券:ハイシーズンは往復15〜20万円、安価なシーズンだとその半分くらいです。
国内費:一時帰国中の日本国内における移動や滞在費が別途かかります。

「一時帰国の航空券1回分は会社が負担し、2回目以降は自分で負担する」という会社も多いです。また、「日本の物価に触れると“財布の減り”が早い」と感じる人も多いです。

余裕ある資金計画が安心に

体験談を通して見えてくるのは、「駐在員=経済的に安泰」というイメージと現実のギャップです。例えば、駐在員は家賃補助や海外手当を会社からもらうことが多く、手取りが増えるというのは多いです。ですが、一方で、「医療・教育・住居・交通・交際費・一時帰国費用」など、日本では考えない“予想外の出費”は確実に発生します。

駐在前にできる準備としては、

  • 会社の補助範囲を確認する。
  • 現地での生活費を具体的に試算する。
  • 不測の事態に備えた予備資金を用意する。

といったことが考えられます。ですが、あまり情報がなかったり、すぐに情報が上書きされるのがベトナム。費用感に不安がある方は赴任が決まった段階から様々なシチュエーションは考えておきましょう。

MISSION.Hでは、駐在員やそのご家族が安心してベトナム生活を始められるよう、生活コスト調査や現地情報の提供を行っています。赴任前の不安を減らし、安心できるスタートをサポートします。

最後に、日常生活でも欠かせないスーパーマーケット。ハノイ現地の日系駐在員の方が衛生的にも安心して、かつ、なるべく安く利用できるスーパーマーケットをいくつか紹介しておきます。現地での買い物が必要な際には、グーグルマップでお近くの店舗を探してみて下さい。