【体験談】SNSやビデオ通話で見えない―ハノイ駐在裏リアル生活

【体験談】SNSやビデオ通話で見えない―ハノイ駐在裏リアル生活

はじめに

ベトナムの首都ハノイに、単身で渡航する駐在員は少なくありません。家族は日本に残り、LINEなどのSNSやビデオ通話で連絡を取り合う日々。でも、「本当に元気でやってる?」「現地でどんな生活をしてる?」「やましいことはない?」という不安は尽きません。

実際、私自身も半年間を妻と離れてハノイで駐在生活を送りました。毎晩のように電話をして、妻を安心させる必要があったのです。

本記事では、SNSやビデオ通話だけでは分からない、現地での駐在員のリアルな生活について、体験談と現地調査の両面から紹介します。

日本とは異なるハノイ駐在生活における娯楽環境

日本は先進国の一つ、街には数え切れないほどの”誘惑”が溢れています。パチンコ、競馬、麻雀、カラオケ、キャバクラ、ガールズバー、風俗…。休日も平日も、仕事終わりに男を惹きつける場がいくらでもあるのが日本です。

ではハノイはどうか。日本ほどの数はありませんが、旧市街や日本人街、韓国人街に行けば、それなりに”誘惑”は揃っています。わかりやすいお店もあれば、表向きは隠れているところまであります。「知っている人しかたどり着けない」ような独特の雰囲気を持っているところもあります。

ハノイの娯楽

  • 賭け事(ギャンブル)
    法律上は基本的に禁止。ただし、外国人専用カジノは存在しており、深夜まで灯りが消えない。スロットやバカラで遊ぶ日本人の姿も珍しくない。裏の世界には闇賭博もあるが、そこに足を踏み入れるのはリスクが高すぎる。大半の駐在員は近づかない。なお、日系企業が関与するカジノも複数存在する。
  • 風俗
    ローカル向けの店は安いが、衛生面や言葉の壁で日本人にはハードルが高い。その一方で、最近は日本人や韓国人向けに整えられた店が増えてきた。ガールズバーで女の子と軽く飲むだけの場所から、ヘルスや本番まである店までピンキリ。駐在員の中には「給料の何割をそこに注ぎ込むのか」という人もいる。
  • カラオケ
    日本では歌を楽しむ場所だが、ハノイのカラオケはまったく別物。女の子が横につき、酒をつぎ、踊り、触れ合う。「接待」という名目で、取引先のベトナム企業と一緒に行くことも多い。表に看板を出している店もあれば、入口に私服姿の警備員が立ち、ドアを開けると外の世界とは別次元の空間が広がる店もある。

つまり、日本ほど多様ではないものの、ハノイにも一定の娯楽環境が存在するのは事実です。

実際にあった違法賭博や売春等に関するニュースは以下URLからも確認ができます。

参考:ハノイ市ハドン区で大規模なオンライン賭博組織が摘発|DTiNews
参考:ハノイの5つ星ホテル「プルマンホテル」のカジノで違法賭博|VNEXPRESS
参考:300人以上を動員する大規模な売春斡旋グループの摘発|VNEXPRESS

SNSやビデオ通話の限界

LINEなどでのビデオ通話は、駐在員や単身赴任者にとって家族との大切な絆を保つ手段。「元気だよ」と笑顔を見せる夫の姿に、家族は安心するかもしれません。しかし、その画面に映るのが “本当の姿” なのかどうか、実際には分かりません。

中には、家族を心配させまいと強気に振る舞う人もいますし、孤独やストレスからベトナム人女性とのいかがわしい関係にのめり込む人もいます。昼間は真面目な会社員、夜は日本では考えられないような遊びに時間もお金も注ぎ込む。そんな二重生活を送る駐在員が存在するのも事実です。

最終的には「信じるか信じないか」という家族間の問題に行き着きます。ですが、実際にご家族から寄せられる不安は非常に現実的で、生々しいものです。

  • 食生活は大丈夫か:栄養バランスの取れた食事をしているのか、ローカル食堂の衛生状態は大丈夫なのか。毎晩ビールと揚げ物ばかりではないか。

  • 交友関係は健全か:信頼できる仲間と過ごしているのか、それとも危険な人間関係ややましい付き合いに巻き込まれていないか。金銭トラブルや女性問題は起きていないか。

  • 健康状態はどうか:体調を崩しても現地の医療体制で本当に対応できるのか。持病の薬を切らしてはいないか。慣れない気候や食事で徐々に体を壊してはいないか。

画面越しの笑顔だけでは、こうした不安を完全に拭うことはできません。だからこそ、「実際に現地でどう暮らしているのか」を把握することが、ご家族にとって大きな安心に繋がるでしょう。

体験談:半年間の単身駐在生活

私の体験談

私自身もハノイで半年間、単身生活を経験しました。本来であれば家族を早めに呼び寄せたかったのですが、法人設立の手続きが思った以上に長引き、結局半年間は一人で暮らすことになりました。

幸い私はお酒が飲めない体質で、夜の街に出る習慣もありません。仕事柄ベトナム人と接する機会が多く、自然と現地の友人ができたこともあり、身近に“誘惑”を感じる環境ではありませんでした。

日々の生活は想像以上にシンプルです。朝はフォーやソイといったローカルフードを食べる。昼は職場近くのローカルレストランで済ませる。夜は市場で買った野菜と、スーパーで手に入れた肉で自炊をする。日本食は割高なので特別なときにしか手を出しませんでした。休日は、ガイドブックに載らないようなカフェを探したり、現地の友人に案内してもらってローカルな場所へ足を運んだり。新しい発見が多く、むしろ充実していました。

ただし、日本に残してきた妻の目線ではまったく違います。毎日のLINE通話で「元気だよ」と伝えても、「今日は何を食べたの?」「誰と出かけたの?」と細かく聞かれる。私にとっては当たり前で健康的な生活でも、妻からすれば“見えない部分”が多いこと自体が不安の種になっていたのです。

周りの駐在員の体験談

仲良くなった駐在員の方々がどんな風に日々を過ごしているのか。いくつかのパターンを見聞きしました。

ある人は、平日の夜はほとんど外食です。日本食レストランに通い、顔見知りのスタッフと軽く会話を交わすことで「誰かに受け入れられている安心感」を得ていると言います。週末はゴルフに出かけるのが習慣で、仲間内の小さなコミュニティで交流を深める。彼にとってはそれが孤独を癒やす方法でした。

また別の人は、完全に「インドア派」。Netflixを見たり、日本から持ってきた本を読んだり、料理を自分で工夫したり。休日は現地のスーパーや市場を回って、見たことのない食材に挑戦してみるのが小さな楽しみになっていました。彼は「飲みに行くとキリがないから、自分なりに楽しみを作る」と笑っていました。

一方で、単身生活の「見えにくい部分」もあります。中には、寂しさを紛らわせるために夜の街に出てしまう人もいれば、逆に仕事だけに没頭し過ぎて心身を壊してしまう人もいる。そうしたケースは少なくありません。

つまり、単身駐在員の生活は「健全に楽しめる時間」もあれば「家族には見せにくい一面」も共存しているのが実態です。

リアルインタビューで浮かび上がる駐在員の裏の顔

今回この記事を書くきっかけになったのは、あるクライアントから寄せられた調査依頼でした。その過程で、風俗店で働くベトナム人女性1名、フリーで活動する女性1名、そして風俗店のオーナー1名に任意でインタビューを行いました。すると予想通り、匿名ながら複数の日本人出張者や駐在員の利用実態が浮かび上がってきました。

風俗店勤務の女性の証言

日本人街から少し外れたエリアにある裏マッサージ店で働く24歳の女性。表からして怪しさの漂う店舗で、客層はほとんどローカル寄りですが、彼女の顧客の約10%は日本人だといいます。価格は日本の相場の4分の1程度。交渉次第でどこまでも対応するとのことで、日本人は「お金を払い、優しく接してくれる」ため歓迎していると語りました。顧客は口コミや紹介で広がり、数珠つなぎのように次々と吸い込まれていく構造になっているそうです。

フリーで働く女性の証言

28歳、店に属さず完全に個人で活動。集客手段はFacebookやTinder。外国人客を中心にしており、日本人もかなり多いといいます。実際に彼女のスケジュールを見せてもらうと、1週間のうち4人が日本人。90分で140万ドン(約8,000円)を基準にしており、交渉によって内容も金額も変動するとのこと。自宅やラブホテルでの利用が中心で、まさに「見えない裏の関係」が築かれているのがわかります。

風俗店オーナーの証言

匿名を条件に話を聞いたオーナーによれば、日本人利用客の大半は出張者と駐在員。ある駐在員が常連となり、その後出張で訪れる仲間に紹介するという流れが多いとのこと。店舗は清潔さと安全を売りにし、敢えて価格を日本よりも低めに設定しているのも戦略の一つだそう。ニオイにも気を遣っていて、そういった部分でも外国人から人気があるとのことです。

ここから言えるのは、「一部の日本人が実際に利用している」という事実は確かに存在するということです。つまり、家族が「まさかうちの夫に限って…」と思っていても、そこには簡単に入り込める環境があるのがわかります。

家族の安心を支える「現地での確認」

結局のところ、ご家族が本当に安心できるのは、現地でのリアルな確認です。単身赴任ではなく、できるだけ早く家族が合流することが理想です。ですが、それが難しい場合には、第三者が現地を訪れて生活環境を見守ることが有効です。

具体的には、以下のような視点での確認が考えられます。

  • 実際に生活している住居の様子(清潔さ・安全性)
  • 日常的に利用している飲食店や周辺環境の雰囲気
  • 健康に配慮した生活習慣を送れているかどうか

これらを写真やレポートという形でご家族に届けることで、SNSや電話だけでは分からない「生活の実感」を共有することができます。

もちろん、これは本人のプライバシーを侵害するものではなく、あくまでも生活環境の健全性を確認するサポート。こうした“現地での目”があるだけで、ご家族の不安は大きく和らぐでしょう。

まとめ

ハノイの単身生活には、日本とは違う種類の”誘惑”が潜んでいます。ガールズバーやマッサージ店、カラオケやカジノのような射幸性のある娯楽など、一度足を踏み入れれば生活のリズムを狂わせかねない環境も存在します。

家族にとって最も不安なのは、そうした「見えない生活」が日常に紛れ込んでしまうことです。SNSやビデオ通話での明るいやり取りの裏側に、どんな時間が流れているのかは画面越しでは分かりません。

だからこそ、現地の生活実態を正しく把握することが大切です。家族の安心を守るために、必要に応じて信頼できる調査・確認サービスを活用することをおすすめします。

ご家族の安心をサポートする現地調査について詳しく知りたい方は、MISSION.Hまでお気軽にご相談ください。