
【現地情報】ハノイ在住者から見るベトナムの大気汚染
私が住むベトナムの首都ハノイには日本と同じように四季があります。このブログを書いている8月は、まさに夏真っ只中。暑い日に、突如来るスコールもあり、東南アジアにいると再認識させられます。
夏の暑い中でも、ベトナム人の多くはバイクに乗りながらマスクを装着。なぜなら、ベトナムでは大気汚染が深刻化しているからです。
今回は、ハノイ在住者目線で生活上の問題はないのかに焦点を当てつつ、深刻化するベトナムの大気汚染を解説します。
経済成長と環境汚染
ベトナムに限った話ではなく、経済発展国では環境汚染が必ず深刻化します。
日本の高度経済成長期
例えば、昔の日本を思い出してみて下さい。戦後の日本には、経済成長を最優先したがありました。これは、高度経済成長期と呼ばれ、1954年頃〜1973年頃にあたります。この時期に、日本では水俣病や四日市ぜんそくといった四大公害病が発生しました。
この時代の日本は「国民所得倍増計画」に代表されるように、重化学工業を主体とした経済発展を最優先。結果として、環境への配慮の不足や規制の遅れ、被害の軽視が起こりました。これらの悲劇を教訓として、その後、公害対策基本法や環境庁(現在の環境省)の設置など、日本の公害対策は大きく進展したわけです。
世界一大気汚染が深刻なインド
世界一人口の多いインドでは、国家GDPも急成長を遂げています。多大な人口と国土は経済成長の源です。合わせてデジタル分野にも力を注ぎ、インドは経済面では急激に成長中です。しかしその一方、現在のインドは世界で一番大気が汚染された国として度々ニュースでも取り上げられています。
原因として、 交通量の急増・車両の老朽化、バイオマス燃料の使用、 農業廃棄物の焼却など、様々なことが言われています。政府は、大気汚染を放置しているのではなく、対策を打ち出しながら急ピッチで対応に迫られているという状況です。
急激な経済成長と環境汚染の関係
歴史と現在の視点から考えても、急激な経済成長の犠牲として環境汚染は引き起こります。二つのことを同時に進行することがいかに難しいのかがわかります。では、経済成長の著しいベトナムはどうなのでしょうか。
ベトナムの大気汚染
現在のベトナムでも大気汚染は深刻化しています。その主な原因は、以下の3つが挙げられます。
ベトナムの大気汚染の原因
- 交通量の増加
経済成長に伴い、自動車やバイクの台数が爆発的に増えました。その結果、排気ガスが主要な汚染源となっています。特に古い型のバイクは、排ガス規制が緩く、汚染物質を多く排出します。 - 建設ラッシュ
都市部での大規模な建設工事が増加しています。大気中に粉塵やホコリが大量に舞い上がり大気汚染の直結しています。 - 石炭火力発電所
工業化が進むにつれて電力需要が増えています。そして、石炭火力発電所からの排出ガスも無視できない汚染源となっています。
ベトナム政府の対策
こうした状況に対し、ベトナム政府は法律や政策の面から対策を強化しています。
- 排ガス規制の強化
政府は、車両からの排ガスを抑制するため、厳格な規制導入を進めています。特に古いバイクが排出する汚染物質の削減は喫緊の課題とされており、「排出ガス検査」の義務化が議論されています。具体的には、ハノイとホーチミン市でバイクの排ガス検査を義務付けることが検討されています。
*参考:THANH NIÊN - 公共交通機関の整備
政府は、個人車両への依存度を下げるため、ハノイやホーチミン市で地下鉄やバス高速輸送システム(BRT)の整備を急ピッチで進めています。最近は、ホーチミンのメトロ利用者が増加しているといったニュースを取り上げて、国民の意識を向ける取り組みも顕著になっています。
ハノイでの生活、大丈夫?
現在、私はハノイに在住しています。現地で生活をしているので問題はありませんが、ベトナム人も工夫している点や大気がクリアな時期とそうでない時期などがあります。
冬は大気汚染が深刻、夏は問題なし
ハノイには四季があると冒頭でお伝えしましたが、気圧や風の影響から大気の淀みにも影響を与えています。毎年若干の違いはありますが、5月頃〜11月中旬頃は空がキレイです。一方、12月頃〜4月頃は青空が見えない日も続きます。
冬は外出時にマスク着用
多くのベトナム人も外出時にマスクを着用します。季節に関係なくバイクに乗る時は、バイクの排ガスを気にしているためです。また、冬の外出時は見てわかるほどに大気が淀んでいるため、マスクを装着しています。
頻繁に行われるエアコン掃除
ベトナムは東南アジア、湿度の高さからエアコンの使用率は自然と上がります。エアコンは外気と内気を循環させるため、エアコンの内部に汚れが滞留しやすくなります。そのため、ベトナムではエアコン掃除が頻繁に行われます。
おわりに
とは言え、ハノイに初めて来た頃と比べると、現在の大気汚染は随分と改善されているのがわかります。また、政府による様々な対策も今後は計画されています。良い面も多分にあるベトナムです。ベトナムで多くの人が、より安心した生活が送れることを期待するばかりです。
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