【ベトナム進出/移住】ハノイで日本食店が集中するエリアとは?

【ベトナム進出/移住】ハノイで日本食店が集中するエリアとは?

日本人や日本企業が飲食店をベトナムで出店する際、多くはホーチミンを目指します。しかし、ここ最近、ある種の先行者利益を目論見、ベトナムの首都ハノイから進出を始める飲食店も出てきました。

そして、ハノイで飲食店を展開しようとする日本人にとって、必ず一度は耳にするエリアが、「ファンケビン通り(Phan Kế Bính)」。この通りは、日本食レストランが軒を連ね、通称「日本人通り」とも呼ばれます。

この通りにはどんな日本食レストランがあるのかなぜ日本人はここに出店するのか、今回は現地のリアル情報を交えて解説します。

ハノイのファンケビン通り(Phan Kế Bính)とは?

ファンケビン通りは、ハノイ市の中心エリアの一つであるバーディン(Ba Đình)に位置しています。バーディンには、日本大使館ロッテセンターなどがあり、複数のビジネスセンターからもほど近いため、ハノイに在留する日本人の多くがここに住んでいます。

この一帯には、

  • ラーメン店
  • 寿司・和食レストラン
  • 居酒屋
  • 日本式焼肉店
  • バーや日式風俗店

など、日本の街並みを思わせるような飲食業態が数十軒以上並んでいます。実際に歩いてみると、看板やメニューはすべて日本語表記がメイン。それほどまでに「日本人向け」を強く意識したエリアです。

なぜここに日本食店が集まったのか?出店側の戦略と背景

このエリアに日本食が集まった理由には、以下のような複数の背景があります。

駐在員の集中とニーズ

大使館やオフィスが近くにあることから、外国人駐在員が生活・通勤しやすい場所として住宅が集まっています。そして、日本人比率も高めです。そのため、日系飲食店としては「確実な客層」があるため、出店しやすくなります。

物件取得のしやすさと“非公式契約”

実際に現地調査を行ってみると、地権者と直接交渉し、非正式な形でスペースを借りているケースも見受けられました。また、正式契約においても、ベトナムでは外国人に対して物件を貸さないといったケースはあります。その点、この通りでは相手も貸し慣れしており、物件取得がスムーズです。

口コミ+日本人ネットワークによる波及効果

現地の飲食店オーナーの多くが、日本人の知人・友人を通じてこのエリアを知り、「とりあえずファンケビンに出す」という流れがあります。既存店舗が成功していると、それが「安全牌」として新たな出店を誘発する構造になっています。

最近ハノイでラーメン店の出店ラッシュ

ドミナント戦略によるファンケビンへのラーメン店出店は、ここ最近急激に増えています。例えば、

  • 横浜家系ラーメン たつ壱屋
  • Hachi Ryu Tamen
  • Yukichi Ramen
  • Ramen Ichibanken
  • RAMEN BUTA SHAMOJI
  • Takeya Ramen

など、ここに挙げたラーメン店はごく一部。多数のラーメン店がファンケビン(とその隣の通りのリンラン)には出店されています。「そんなにラーメン店出して、もう限界じゃない?」と思われる人も多いようです。

しかし、これはドミナント戦略と呼ばれる手法。特定の地域を「支配」するように店舗を密集させ、市場シェアを拡大するやり方で、実際にラーメン店の収益は高い状況です。

ハノイのベトナム人は意外と知らない

一方で、ベトナム人にとってファンケビン通りにある日本食店の存在は、必ずしも広く知られているとは言えません。現地のベトナム人に聞いても、

「あそこって日本人多いし日本人向けでしょ?」
「値段が高そうだし行ったことがない」

といった声がいまだに多いです。そのため、多くは日本人や外国人、日本からの出張者で賑わっています。確かに徐々にベトナム人も出入りするようにはなってきています。しかし、総体的に見れば、ベトナム人がまだまだ知らないお店が多いという状況です。

 ハノイ飲食進出における「初期チャレンジ地」としての活用価値

ファンケビン通りは、いわば「テストマーケットの場」としても使いやすいと言えます。

個人出資としては一発の勝負の起業。ですが、企業としては「10回やって1回当たる」といった感覚で新規事業は挑むでしょう。そう考えると、現地のテストマーケティングを行う考えが多少なりともあるはずです。そのため、

  • 小さなスペースから始められる
  • すでに一定数の日本人がいて日本コミュニティには認知されやすい
  • 現地にいる日本人オーナーからの情報交換が可能
  • 日本食店としての相乗効果によりある程度の来客が期待できる

という理由から、「まずは検証」という企業にとっては、悪くないスタート地点と言えます。

「リアル」を知ってから決断を

MISSION.Hでは、このようなエリアの「データからでは見えない実態」を調査・提供しています。ネットの情報だけではわからない、現地でしか得られない情報こそが、成功と失敗の分かれ目です。

ハノイ・ファンケビン通りでの飲食進出を検討している方は、ぜひ一度、 MISSION.H への調査依頼をご検討下さい。