
【体験談】ハノイの家400軒に訪問して分かった住宅事情のリアル
皆さんは、友人からパーティでお家に招かれたりしたことはありますか?
家にお招きいただくというのは貴重な経験になります。ですが、家はプライベートな空間です。どんな状況でも信用できる人に入っていただきたいと思うものです。
私は前職の頃、東京にいる時とハノイにいる時に、合計3,000軒以上のご自宅を訪問させていただきました。ハノイだけでいくと400軒以上になります。日本ではほぼ日本人の方のご自宅でしたが、ハノイでは違いました。
75%がベトナム人、25%が外国人(日本人、韓国人、中国人、ロシア人、ウクライナ人、アメリカ人、イギリス人、フランス人、オーストラリア人)でした。
そんな貴重な体験から「日本とハノイの家の違い」また、「ベトナム人と外国人のそれぞれの共通的な特徴」がわかりました。プライベードな部分なため、詳しい内容は控えます。ですが、今回は記載できる範囲で、私自身の特別な体験談をシェアします。
日本とハノイの家の違い
日本の家の特徴
- 必ず玄関がある
- 網戸がある
- 窓は横開きが一般的
- 天井はほとんどが3m以下
- トイレと浴室は別
- 細部まで造りが丁寧
- 換気扇や換気口が多い
ハノイの家の特徴
- 窓には侵入者対策の柵がある
- 一軒家はポストが少ない
- 昔建てた家と最近建てた家での技術差が大きい
- 廊下がない、または、少ない
- 設計意図が短絡的(エアコンやコンセントの位置)
- 必ず仏壇がある
- 家族写真が多い(3世代全員の集合写真など)
どちらが良い悪いではなく、明らかに違いがあります。ハノイには、日系の建設関連の企業は進出しています。ですが、家の造りに関しては、見た目は日本人向けでも細部はベトナム人向けです。つまり、彼らもベトナム人向けに家を造っているのだと思います。
ベトナムに住む外国人の特徴
では、ここからはハノイに住む外国人に見られる家の共通の特徴を解説します。もちろん、全員が全員ではありません。ですが、以下の傾向が強いと捉えて下さい。
日本人の家の特徴
- 清潔感がある
- モノが多い
- 節約志向がある
日本人は、安くて良いモノを見つけるのが上手いです。「コスパが良いもの」を生活に活かしています。
韓国人の家の特徴
- 清潔感がある
- モノが少ない
- ブランド志向がある
韓国人は、特に韓国ブランドと日本ブランドを優先して購入します。そのため、誰でも知ってる有名ブランドのものを生活用品にも適用しがちです。
中国人の家の特徴
- モノが多い(靴や食べ物が多い)
- ベトナム商品が多い
- 目に見えるところにモノがある
中国人は、ベトナムの日用品(調味料、ラップ、スリッパ、洗顔フォームなど)をよく選びます。便利で安いものを選択する傾向があります。
ロシア人の家の特徴
- かなり清潔
- 写真とマグネット多い
- あまり流行り物に乗らない
ロシア人の家は清潔な家ばかりです。モノは多いですが、上手くコンパクトにおさめていて、収納上手な人が多いです。
ウクライナ人の家の特徴
- 母国にいる家族との写真が必ずある
- シャワーのみの家が多い
- 効率志向
戦争の影響もあり、自国に帰りたがらない人が多い反面、家族との写真は必ず持っているのがほぼ全家庭に見られました。
アメリカ人の家の特徴
- あらゆるものが豪快
- 使うものと使わないものがハッキリしている
- 音楽をかけていることが多い
良い部分とそうでない部分がハッキリわかりやすいのがアメリカ人のご自宅です。気に入ったものはとにかく愛用して離さないといった特徴があります。
イギリス人の家の特徴
- 家具や小物が統一されている
- 服が多い
- ご家庭ごとに特徴が異なる
最も家庭ごとの特徴が異なるのがイギリス人のご家庭です。ただし、家族愛が強い方ばかりで、それは家の中のものから一目でわかります。
フランス人の家の特徴
- 自国ブランドとベトナムブランドの商品が多い
- 仕事スペースとプライベートスペースがはっきりしている
- 乳製品と粉もの類が多い
同じものでも様々な種類を持っているのが共通的です。わかりやすいものだと、香水なら10種類、ソースなら5種類など、多くの種類を持っています。
オーストラリア人の家の特徴
- お菓子が多い
- ソファーやテーブルが大きい
- 収納道具が多い
どことなく雰囲気はアメリカ人のご自宅と似ています。ですが、収納好きなのか、収納ボックスや収納棚が多いのが共通的特徴です。
番外編:ベトナム人の家の特徴
ここからは番外編です。ベトナム人の家の特徴として、次のような傾向に分けられることがわかりました。
富裕層のご自宅の特徴
いわゆる世帯年収が高いベトナム人のご家庭に見られる特徴です。
- 家の中に仕事をする場、お祈りをする場、など目的別の部屋がある。
- ショーケース(ワインコレクター用、スニーカーコレクター用など)が必ずある。
- とにかく広い(1フロアで500㎡以上など)
中間層のご自宅の特徴
ベトナム人の30代前半〜40代くらいに多い層で、ベトナム経済を支える層です。
- 「◯◯国製」といった国ごとに商品への信頼やこだわりがある。
- 客人を招くためのセットがちゃんと準備されている。
- 縦長で4階建て以上、またはニュータウンのマンションの1室であることが多い。
一般家庭層のご自宅の特徴
最も多いごく一般的なベトナム人の家庭層の特徴です。
- エリアごとに家の特徴(内装や外観)が大きく異なる。
- お茶セットや果物セットがリビングテーブルに必ずある。
- 5人以上で住んでいることが多い。(子供が多いまたは2世帯)
ここに記載したのは、統計的データなどはありません。私が実際にご訪問させていただいたご自宅に見られる特徴です。ですが、ここに記載したものは、共通的です。
ご家庭ごとに異なるのは当たり前ですが、自然と似ている部分が出てくるのも当然です。
印象的だった出来事
400軒以上のご自宅を1年間以内にご訪問させていただいたものですから、様々な経験をさせていただきました。その中でも印象的だった出来事を最後にご紹介します。
とにかくもてなされる
「日本人が家に来ることなんてまずない」というのがベトナム人の本音。仕事でお伺いしたにも関わらず、どっちがお客かわからないくらいもてなされました。例えば、仕事中と後の両方で食事を出していただいたり、仕事後に1時間ほど小話は当たり前。娘さんを紹介されるなんてこともしょっちゅうでした。
それでいて警戒心はバチバチ
仕事中に目を離さずに見られていることはいつも感じていました。それもそのはず。ベトナムでは、例えば家の修理やメイドさんがお客のものを盗むことが多いからです。とある統計では2人に1人はモノが盗まれるそう。特に外国人が来たら尚更です。一度信頼されれば全くなくなりますが、初対面では警戒心は強いです。
ほぼ1oo%で連絡先は交換
「気に入ったらみんな友達」くらいの勢いで、毎回連絡先を交換させていただきました。もちろん、その後はビジネスの話が来ることが多かったです。ですが、本当に友達のように連絡をくれる方も多いです。そのおかげで、私がこの調査会社を立ち上げるきっかけにもなりました。
おわりに
ハノイに来てからというもの、『とても貴重な体験をさせていただいているな』といつもと感じます。また、あまり詳細を書くとプライベートに関わることになります。そのため、今回はあまり詳細は控えて解説しました。
ですが、皆さんがこれからベトナムでビジネスをされる際の材料になるのではないでしょうか。もし、今後ベトナム進出やビジネス設計で、専門的な調査が必要でしたら、いつでもご連絡下さい。