【ベトナム進出/移住】ベトナムで人材採用する際の注意点

【ベトナム進出/移住】ベトナムで人材採用する際の注意点

ベトナム進出を検討する際に避けて通れないのが、現地人材採用でしょう。

「ベトナムで会社を立ち上げる予定だけど、現地採用ってどうすればいい?」
「気をつけるべきポイントはあるの?」

私は日本企業とベトナム企業の両方で人材採用の経験があります。ですが、ベトナムは日本とは全く違う文化と注意点があると実感しています。今回は、ベトナムで人材採用する際の注意点を解説します。

採用チャネルの違い

一般的な求人方法

  • 日本:求人サイト、人材紹介会社など
  • ベトナム:上記 + SNS/知人紹介も多い

特に、ホワイトカラー人材の場合は求人サイトブルーカラー人材の場合はSNSまたは知人紹介、で採用するケースが多いです。

ちなみにベトナム人は、以下の求人サイトをよく利用します。

上から順に、ホワイトカラー多め、ブルーカラー多め、若者多め、など特色があります。

給与相場と期待値ギャップ

日系企業=高給/高待遇 というイメージ

多くのベトナム人は、日系企業は安定していて待遇が良いと考えています。特に「採用されればクビにされない」と思っていることが多いです。

ただし、近年は他外資系企業が給与水準を上げています。そのため、日系企業の給与条件が低すぎると人材が集まらない現実もあります。

ポイント

  • ポジションごとの市場相場を調査する
  • 福利厚生(昼食補助、慰安旅行など)も重視される

私が初のベトナム進出時に、現地ブルーカラー人材を採用していた時の給与水準は、「【現地情報】2025年版:ベトナムの最低賃金とハノイの実態」のブログで紹介していますので、こちらも参考にしてください。

面接での注意点

建前と本音の違い

ベトナム人は面接で自分をよく見せる傾向があります。特に実務経験や語学レベルは、面接官が具体的に質問して深掘りしないと誤解が生じます。

「これを聞いたら失礼かな?」等、変な気遣いは不要です。質問したいことははっきり聞くようにして下さい。

転職回数の多さ

日系企業の感覚では短期離職はネガティブ評価になりがちです。しかし、ベトナムでは1~2年で転職する人も珍しくありません。

ダブルワークは当たり前

17時または18時まで働いた後、副職で他のパートタイムをするのは当たり前です。特に給与設定が低い職種だと、これは顕著です。そのため、「必ず◯時までは勤務してもらいますが良いですか?」と確認する方が良いでしょう。

採用後の注意点

労務管理の文化差

  • 指示待ち傾向
  • 与えられた範囲以上の業務をしない
  • フィードバックや評価面談の頻度を上げると定着率UP

例えば、スーパーで働いているベトナム人。お客がいないとずっとスマホを触っているか、寝ているかの光景をよく目にするでしょう。これが、オフィス内でも基本は同じと考えて下さい。もちろん、わかりにくくサボります。

中には勤勉で自発的なベトナム人もいます。ですが、原則指示待ち傾向が強いので注意が必要です。

契約内容の明文化

ベトナムは契約書文化です。つまり、雇用契約書の内容が全てです。そのため、口頭説明のみで進めると、トラブル時に不利になります。具体的には、

  • 業務内容
  • 勤務地
  • 勤務時間
  • 試用期間後の給与
  • 社会保険加入

などを必ず書面化しましょう。また、契約書に日本語または英語併記をする場合もあります。その場合でも、ベトナム語が優先されます。必ずベトナム語の明文化を怠らないようにして下さい。

解雇・退職時の注意点

突然辞めるケース

ベトナムでは退職予告義務があります。ですが、無断欠勤からそのまま退職となるケースも稀ではありません。1週間来なければ、「飛んだ」と判断するのが良いでしょう。

解雇のハードル

法律上、正当な理由がないと解雇はできず、即日解雇(いわゆる「明日から来なくていい」)は違法です。ただし、ローカル企業では運用が緩い場合も多いです。ですが、日系企業は法律遵守を徹底する必要があります。

体験談

私も経験として即日解雇をしたことがあります。こちら側の気持ちも良いものではありません。その際の対処法もあります。ですが、そうならないためにも、法律遵守を心がけて下さい。

実体験から語る:採用時のポイント

ここからは私の実体験から採用時のポイントをお話します。なるべく長期雇用するための採用時のポイントです。

質問は遠慮せず聞きまくる

面接で「気になること」は、思いつく限り聞きまくって下さい。聞き忘れたことがあれば、電話をかけて聞いてもOKです。疑問点はなくして採用するのがベストです。

条件を明確に提示する

自社で採用する際の条件は必ず明確に提示しましょう。良く見せても仕方ありません。人材は縁のものもあります。もちろんブランディングも大事です。ですが、しっかり条件を提示して「それでも入社したい?」くらいのトーンがベストです。

良い人材でも合格の返事は3日間空ける

ベトナム人の採用の場合、相手が入社したくない時はすぐにわかります。なぜなら、面接中の会話の中で、顔にすぐ表れるからです。一方、入社したいと思っているベトナム人は「最後まで良い顔」をしています。

もしあなたが面接で良い人材を見つけて採用したいと思っても、3日間待って下さい。その人が入社してから、この理由がわかります。

これらは日本の時からも行っていましたが、ベトナムでも有効です。実際、私が直接面接した人材で退職を申し出たベトナム人は一人もいませんでした。正直、給与も低く待遇も良くありませんでした。ですが、日頃の工夫で彼らは勤勉に働いてくれるものです。

MISSION.Hからのアドバイス

ベトナム人は勤勉」という言葉をよくネット記事で見ませんか?それは「東南アジアの中では」です。いいえ、もっと言えば、「日本人が勤勉すぎる」ので、他国の人が日本人ほど働かないように見えるのです。

現地ではベトナム人の協力が必要になります。そこでは、文化や仕組みを理解することが大切です。それが、現地経営成功の鍵だと私は感じています。

ベトナムの人材採用に関する調査やお困りごとがあれば、お気軽にご相談下さい。