【現地情報】5,000VND(30円)の重み

【現地情報】ハノイのリアル物価|5,000VND(30円)の重み

「ベトナムって物価が安いよね。」
そう語る日本人観光客や駐在員を、ハノイでよく見かけます。

確かに、ハノイの物価は東京の1/2〜1/3程度。しかし、本当に“全てが安い”と言えるのでしょうか?

今回は、私が現地で暮らす中で実感した、“5,000VND(約30円)の重み”について書きたいと思います。

ベトナムの物価は安い?

ハノイのある日のこと。
ハノイに赴任してまだ浅い駐在員の方と、ローカルレストランでディナーを食べました。

二人分で合計は、 115,000VND(約700円)でした。

現地に慣れた私からすると、「まあ、ちょっと安く済んだかな。」という感覚でした。

しかし、その駐在員の方は、「すごい!めちゃくちゃ安いですよ!」と興奮気味。

私もベトナムに来た当初は同じ感覚でした。
ですが、ハノイでベトナム人と近い距離で生活する内に、この“安い”の基準が変わってきたのです。

物によって高いものもある

確かに、ベトナムは全体的に安い国です。しかし、

  • 牛乳やチーズは日本より高い
  • フルーツは日本とそこまで大きく変わらない
  • 野菜はベトナムの方が安い

など、物によって価格感は全く違います。

つまり、単純に「物価は1/3だから全てが安い」とは言えない現実があります。

駐車料金で見る5,000VNDの差

ハノイには、ショッピングモールがいくつかあります。

その中でもベトナム最大手の商業施設 “Vincom Mega Mall” は、とても有名です。このショッピングモールにバイクを駐車する場合、時間帯によって3,000〜7,000VND(約20~40円)がかかります。

一方、日本資本の大手商業施設“イオンモール”では、駐車料金が実質無料です。また、イオンモールの集客力は凄まじく、特に食品コーナーの集客力はものすごい力を感じます。顧客もベトナム人層が多く、上手くベトナム人のニーズにハマっている感じがします。

もちろん集客の差の全てが、この駐車料金の差とは言いません。
ですが、“5,000VND”はとても大きく、ベトナム人の行動選択に大きく影響することを知っていますか?

【事例】セブンイレブンの口コミ

つい先日、ハノイに3号店目となるセブンイレブンがオープンしました。

しかし、Google口コミには、「駐車料金がかかるから★1」というコメントが。
(実際はかからないですが、このベトナム人の方は止めた場所が悪かったのでしょう。)

ですが、このように、駐車料金の有無が店舗評価に直結するのがベトナムです。
実際にこの店舗に行ったところ、スタッフはとても親切で店内は清潔、心地よいコンビニでした。ですが、5,000VNDの有無は評価に大きな影響を与えたとも言えます。

5,000VNDの感覚

私のベトナム人の友人は、Bún(ライスヌードル)の価格が、35,000VNDなら普通、30,000VNDなら高い と言います。日本円換算で約30円の差です。

日本では、例えば500円のランチが800円に上がると「高い」と感じるでしょう。ですが、ベトナムではこの30円の差が高い安いの判断基準になるのです。

この感覚を掴むまで

私も最初は、「30円で何が変わる?」と思っていました。そして、ベトナム人の言葉を聞いても「そんな感じなのか」としか考えられませんでした。

しかし、現地で生活し、ベトナム人と同じ目線で日常を過ごすうちに、この“5,000VNDの重み”を理解できるようになりました。この感覚をちゃんと得るまで、私は約10ヶ月かかりました。

MISSION.Hからのアドバイス

日本から来て間もない頃は、「ベトナム=物価が安い国」という漠然とした認識で終わりがちです。

しかし、5,000VNDという金額の重みを理解することは、

  • 価格交渉
  • 商品サービス設計
  • マーケティング

全てに直結する重要な感覚です。

もちろん私が伝えたいのは、「この感覚を持って販売価格を下げるべき」ということではありません。この感覚を持った上で、ベトナムでの販売価格を決める「過程」が大事だと思います。

それは、現地の人と同じ目線で物価を感じることに繋がるからです。
それが、ビジネス成功の鍵になるかもしれません。

もし、ベトナムのリアルな現地情報を掴みたいとお考えであれば、お気軽にお問合下さい。
MISSION.Hが、あなたのベトナム進出をサポートします。

追記:
トップの写真は”Hột vịt lộn”と呼ばれる料理。孵化しかけのアヒルの茹で卵とハーブと薬味と麺が入っています。
この料理は25,000VNDくらいで食べることができます。ベトナム人に愛される料理の一つです。