
【現地情報】ベトナムの英語普及率
これからベトナム進出や移住を考えている人にとって、現地での英語事情は重要なポイントです。
「ベトナムって観光なら英語で問題ないって聞きますが…」
「ビジネスで、英語だけでやっていけますか?」
ハノイ在住者として、統計も確認しつつ、リアルな現地の英語レベルと体感をまとめます。
【統計データ】ベトナムの英語能力指数
国際的な英語能力指標(EF English Proficiency Index 2024)によると、ベトナムは世界116カ国中63位(中程度の英語能力)と評価されています。
アジア圏内ランキングの一部抜粋
- シンガポール(世界3位/英語能力レベル:非常に高い)
- フィリピン(世界22位/英語能力レベル:高い)
- マレーシア(世界26位/英語能力レベル:高い)
- 香港(世界32位/英語能力レベル:中程度)
- 韓国(世界50位/英語能力レベル:中程度)
- ベトナム(世界63位/英語能力レベル:低い)
- インド(世界69位/英語能力レベル:低い)
- インドネシア(世界80位/英語能力レベル:低い)
- 中国(世界91位/英語能力レベル:低い)
- 日本(世界92位/英語能力レベル:低い)
- タイ(世界106位/英語能力レベル:低い)
ポイント
ベトナム国民の英語スキルランキングでは、フィリピンやマレーシアより低いです。しかし、インドネシアや日本やタイよりは上に位置しています。また、歴史的観点から見ても、ベトナムが英語に接する機会は少なかったのが現状です。
さらに、ベトナムは日本と同様に、母語は英語ではありません。このような環境を考えると、ベトナムの英語レベルは高い方だと感じます。
【体感】ベトナムの日常生活での英語
次に、統計ではなく体感レベルでのベトナムの英語をお伝えします。私はハノイに普段いますので、ハノイでの体感です。
観光地・高級レストラン・ホテル
⇒英語OK。観光英語レベルだが、かなりスムーズ。
一般ローカルレストランや市場
⇒ほとんど英語は通じない。簡単な数字(価格)や挨拶のみ。
タクシー運転手(Grab含む)
⇒基本的に英語は通じない。が、運転手は何とか話そうとする。
不動産仲介業者やオーナー
⇒外国人向け業者は英語対応可能。ローカルは全く通じない。
銀行や役所手続き
⇒英語はほぼ通じない。市街地エリエの大手銀行の支店スタッフは通じる。
街中にいる子供
⇒英語教育を受けた子供は結構流暢。ローカル学校教育のみだと難しく差が大きい。
英語が通じる人と通じない人とでは、大きく差があります。しかし、ハノイには日本よりも英語が話せる人の数が多いと感じます。特に、30歳未満のベトナム人の若者層では、発音も上手いベトナム人が多いです。学習方法も様々で、学校で教育を受けただけでなく、アニメや映画、読書やSNSを通じて、独学で英語を学んだ人も多いです。
【体感】ベトナムのビジネスでの英語
では、日常生活だけでなく、ビジネスではどうでしょうか?ここからは、ビジネスで感じた体感をお伝えします。
若手社員
外資系企業勤務の若手社員(20~30代)は、TOEIC600~700点程度の実力者が多いです。そのため、基本的なビジネスメールや会話は可能です。しかし、ローカル企業の社員や工場での労働者層では、
- 挨拶と自己紹介程度
- 専門用語はベトナム語オンリー
というケースが一般的です。
経営層やオーナークラス
一方で経営層になると、英語を使う場面が多くなります。そのため、
- 英語が話せる人は全体の30〜40%程度
- 外資系取引経験者は流暢
というイメージです。
ベトナム人の英語スキルは、外国との関わりが増えてきたことで、自然と身についたものだと感じます。また、English Schoolの拡充や英語教育の促進化により、企業や国家による取り組みも進んでるのが理由でしょう。
英語だけ生活はできる?
結論として、「生活は可能ですが、制限が多い」という表現が妥当です。
例えば、Zaloの翻訳機能やGoogle翻訳を駆使すれば、日常生活は問題ありません。もちろん、英語や日本語が話せるベトナム人に助けてもらうという手段もあるでしょう。しかし、強いコネがない限り、ローカルとの深いコミュニケーションや交渉にはベトナム語が必須です。
そのため、現地でのビジネス展開や長期移住を視野に入れる場合、
- 挨拶、数字、簡単な交渉ベトナム語
- 最低限の会話力
を習得することをおすすめします。
これからベトナム進出を考えている方や移住を考えている方。言語に壁を感じている場合でも、ご遠慮なくご相談下さい。「こんなことでも相談していいのかな?」ということも対応可能です。