ハノイ入国管理局

【現地情報】ハノイ在住外国人のVNeID レベル2 登録方法

2025年7月1日より、ベトナムでは、様々な法改正や新法導入が行われています。例えば、「企業法改正」「行政区画再編」「データ法導入」「国籍法改正」などです。

今回の記事では、その中でも生活に密接に関わってくる、「ベトナム在住外国人のVNeIDのレベル2の登録方法」を体験談ベースで紹介します。

VNeIDとは

VNeIDは、「Vietnam Electronic Identification」の略で、「ベトナムの電子身分証明アプリ」です。これは、ベトナム公安省が開発したスマートフォンアプリです。ベトナムのニュースによると、ベトナムにおけるデジタル国家構築の中核を担う重要なシステムとのことです。

そこで、VNeIDの主な機能や目的を以下にまとめます。

デジタル身分証明書としての機能

  • ベトナム国民の身分証明書(CCCD:チップ内蔵型国民識別カード)の情報をデジタル化してアプリに統合する
  • 外国人は、パスポート情報等を基にしたデジタルIDとして機能、ベトナム国内でパスポートに代わる身分証明として利用できる

各種公的書類の統合管理

以下の公的書類や個人情報をアプリ内で一元的に管理できるようになります。

  • 健康保険証
  • 運転免許証
  • 居住情報(引っ越し、一時滞在届など)
  • 電気・水道の支払い情報
  • 納税情報
  • 犯罪歴の有無

行政手続きのデジタル化

  • オンラインでの行政サービスの利用(出生登録、永住登録、納税申告、各種許認可申請など)に利用できる
  • 空港での国内線チェックインや搭乗手続き(レベル2アカウントが必要)に利用できる

このように、デジタル管理と並行して、国民側は手続き上で便利な部分も増えるのが特徴です。

レベル1とレベル2の違い

まず、VNeIDには「レベル1」と「レベル2」の2種類の電子識別アカウントがあります。

VNeID レベル1

個人基本情報として「氏名、性別、生年月日、国籍、識別情報、写真」が情報登録されます。ですが、生体認証情報(指紋)は含まれません。そのため、基本的なオンライン行政サービスや情報照会など、限定的な本人確認に利用できます。

ですが、ベトナム国内の空港で身分証明書として利用することはできません。注意点としては、より高度なセキュリティが求められる銀行取引などでは、利用が制限される場合が今後起こり得ます。

VNeID レベル2

レベル1のすべての情報に加え、指紋情報を含む生体認証情報が登録されます。オンラインでの登録はできず、必ず対面での手続きが必要です。ベトナム国内では、パスポートと同等の効力を持つとされています(政令59/2022/ND-CP)。

2025年7月1日からはベトナムに居住する外国人も登録が必要となります。特にTRC(一時滞在カード)を持つ外国人や企業の法定代理人である外国人は、行政手続きでVNeIDレベル2アカウントの利用が必須となります。そのため、実質的にVNeIDレベル2の取得が不可欠です。

VNeID レベル2 の登録手順

私は、事は急げと2025年7月1日である本日、VNeID レベル2の登録に行ってきました。
ここからは体験ベースでリアルに手順をお伝えします。

登録場所と持ち物

登録場所
ハノイ入国管理局(44 P. Phạm Ngọc Thạch, Phương Liên, Đống Đa, Hà Nội)

ハノイ入国管理局
ハノイ入国管理局の外観

持ち物

  • パスポート
  • TRC
  • WP
  • ERC(法定代理人の場合)

登録手順

STEP1: シートの記入

入口に入ってすぐ正面に、大きなデスクがあります。そこで3名〜4名の公安が座っていますので、「VNeIDの登録に来た」と伝えてください。ベトナム語が難しくGoogle翻訳を使用される場合は、次の写真を見せれば案内してくれます。

Google翻訳画面

多くの日本人の方はベトナム人(パートナー、スタッフ、委託同行者)に依頼しているケースが目立ちます。ですが、日本人だけでも全く問題ありません。

そこで、公安から次の写真のシートの記入を促されます。

VNeIDの登録用紙

登録用紙には英語も併記されています。基本的な情報(名前、パスポート番号、住所、電話番号など)を記入するだけです。ですが、ここで大事なことを伝えます。

①ベトナムの電話番号が必要(自分名義のSIMが必要)

シート記入の際に、電話番号が「あなた自身のものですか?」と聞かれて確認されます。自分自身のスマホ(SIMカード)でないと登録ができません。そのため、必ず自分名義のSIMカードが入ったスマホを持参してください。

※スマホの名義人の確認方法

スマホのSMS(電話番号で送受信するショートメッセージ)で、宛先欄に「1414」と入力します。その後、本文に「tttb パスポート番号」を入力して送信します。tttbとパスポート番号の間には半角ブランクが必要です。

その後すぐに自動返信が来ます。その情報が自分の情報になっていれば、そのスマホに入ったSIMカードは自分名義のものだと証明されます。

②新しくなった住所が必要(2025年7月1日〜住所が変わっています。)

ここが皆さん手こずるところです。2025年7月1日より、大幅な行政区画改正が行われたため、住所が変わっています。必ず、ランドオーナーに事前に新しい住所の確認をしてから入管に行ってください。

STEP2: 情報登録

シートが記入できたら、デスクに座っている公安に見せ、整理番号をもらいます。その後、106号室へ移動し、番号が呼ばれるまで座って待機します。

VNeIDの登録へ

番号が呼ばれたら、記入したシート、整理番号、パスポート、TRC、(ERC)を見せてください。その後、写真撮影と指紋採取ができたら、無事に完了です。

おわりに

今日の速報情報なので、改めて更新しますが、自分のVNeID情報は、登録した自分のスマホにSMSを通して、1週間後に送られてくるとのことです。

登録はベトナム語ができない方でも問題なく終わります。英語での会話も通じますので安心してください。もしかすると人にもよるかも知れませんが、公安の方が非常に親切でした。今の期間だからこそ、なのかもしれません。

皆さんもぜひこの記事を参考にして、VNeID レベル2の登録を早めに済ませていただければと思います。

もし何かお困りごとやご相談、ご依頼がありましたら、お気軽にお問合ください。

7月19日追記

あれから次の写真のSMSが送られてきました。

SMS画面
SMS画面

「無事に承認したので、スマホでアプリをダンロードしてください。その後、番号を入力して有効化して下さい。」といった内容です。黒い部分は名前とID番号が書かれています。ご自身のSMSを必ず確認するようにして下さい。