ベトナム法人維持コスト

【ベトナム進出/移住】法人維持コスト

法人維持コストは経営にインパクト

事実、ベトナムの市場に供給されている商品やサービスの価格は日本のそれよりも低いです。つまり、製造コストや人件費、法人そのものの維持コストも必然的に抑えなければなりません。

では、法人を維持するためのコストとは一体何を指すのでしょうか?今回は、ベトナムで法人を維持する上で、最低限必要なコストのリアルについて解説します。

何もしていなくてもお金はかかる

ベトナムでは「登記=生きている法人」と見なされます。そのため、稼働していなくても義務的な支出や報告が発生します。つまり、「実際には何もしてないんですけど…」は、通用しません。

法人維持にかかる主なコスト

・会計記帳・税務申告の外注コスト

初のベトナム進出時、日系の会計事務所等に依頼されるケースが多いでしょう。日本語翻訳のサービスもあり、ベトナム現地の会計事務所よりも費用は高くなります。コストを抑えることを意識するのであれば、ローカル会社と比較検討することは必要でしょう。

・事務所賃料

会社が存続する限り、オフィスは必要になります。バーチャルオフィスであっても、事務所賃料はかかります。事業をうまく展開するためにも、事務所賃料を抑える意識は、進出前から持っておいたほうがいいでしょう。

・銀行口座維持手数料

これは銀行によってバラバラで、特に維持費がかからない銀行もあれば、維持費がかかる銀行もあります。そのため、銀行の残高には注意が必要です。

・ライセンス更新・法定通知費用

法人を維持するためには、営業ライセンスの更新が必要になります。年間更新が一般的で高くはありませんが、法人を所有するだけでコストがかかるのは事実です。

・税務署/労働局への対応(外注)

インボイスの未発行、未納税などの問題があった場合、罰金も発生します。都度交渉が必要となるため、通常は外注するケースが多く、これにもコストが発生します。

これらのコストコントロールを上手くやれば、随分と抑えることが可能です。しかし、意識せずに全て外注任せ、何となくで対応、といったことだと、年間30万円以上のコストは軽く発生します。

これは稼働をしていなかったとしてもです。いかに、これらのコストを抑えるかが大切かがわかります。

プラスでかかる可能性のあるコスト

代表者及び駐在員のビザとレジデンスカード取得費用

通常、ベトナムでは一度取得すれば、2年間有効となります。2年後には更新が必要になります。

労働許可証(WP)

TRCに紐づき、労働許可のためのWPが必要です。こちらも2年後には更新が必要になります。

従業員の社会保険(BHXH)負担

現地ベトナム人を雇用する場合、会社側は労働者の給与の約22%前後を負担する必要があります。

法人維持とは直接関係が無いまでも、法人である以上、必ずそこには代表者と労働者がいます。これらのコストも仕事がなくても必ず発生します。

法人維持コストを“抑えるコツ”

様々な維持コストを抑えることは、長く経営するためには不可欠な要素です。私が実際に経験した中で、“こうすれば法人維持コストを抑えられた”、というものを紹介します。

バーチャルオフィスの活用

業種にもよりますが、無理にオフィスを構える必要がない業種であれば、バーチャルオフィスでOKです。また、コワーキングスペースでも個別スペースのオフィスよりコストを抑えられます。

会計・税務は信頼できるローカル会社へ

日系の会計事務所とローカルの会計事務所とでは大きく金額に差が生まれます。ベトナム語ができなくても、Chat GTPの翻訳を駆使すれば問題ありません。英語が話せるローカルの会計事務所もあります。あとは、信頼できるところであれば、現地のローカル会社へ依頼するのも一つの手です。

日頃から代表者も帳簿をこまめに確認する

ベトナム当局は、外国法人(外国人が代表者の現地法人も)には厳格です。お金が取れるところからは取ります。そのため、針の穴を通すかのように細かくチェックされます。時には難癖もつけられ、罰金請求が行われます。

そのため、普段から問題が起きないように、代表者自身が見る目を養うことをおすすめします。帳簿の確認、インボイス未発行の確認等を、経理と連携して日頃から行うのが良いでしょう。

法人は“設立して終わり”ではなく、「設立後どう運用するか」で初めて意味を持ちます。進出前から、どのようなコストが必要になるかをしっかりと意識した上で、進出計画を立ててください。

その他、ベトナムのリアルな情報が必要な場合には、お気軽にご連絡を。