ベトナムでメジャーな駆虫薬 "Fugacar"

【現地情報】ベトナム人も使ってる”Fugacar”で駆虫対策

1. ベトナムにおける駆虫薬の重要性

駆虫薬とは、体内に入った寄生虫を退治するための薬です。日本ではあまり摂取することはない薬かもしれません。ですがベトナムでは一般的な薬です。なぜなら、人口の75%が寄生虫に感染していると言われているからです。

具体的に、A型肝炎、細菌性赤痢、腸チフス、回虫、アメーバ赤痢、条虫、肝吸虫などの感染症が報告されています。主な原因は、不衛生な食品(生魚、生野菜など)を食べる習慣です。そのため、定期的な駆虫が推奨されています。

実際、ベトナム人は大人も子供も、年2回(6ヶ月ごと)の駆虫が一般的とされています。この頻度は、日本よりもはるかに多い数だとわかります。

2. 最もメジャーな駆虫薬 “Fugacar”

駆虫薬で最もメジャーなものと言えば “Fugacar” (フガカー)です。処方箋なしでベトナムの薬局で誰でも購入が可能です。価格もお手頃で、実際に私は1つ 23,000 VND (約150円)で購入しています。

“Fugacar” の主成分はメベンダゾールです。これは寄生虫の駆除に用いられる薬に含まれる一般的な成分の一つです。特に鞭虫の治療に用いられ、WHOの必須医薬品に指定されています。

また、 “Fugacar” は、1種類以上の腸内寄生虫による感染症の治療に使用されます。具体的には、鞭虫、蟯虫、回虫、などです。

ベトナムでメジャーな駆虫薬 "Fugacar"
ベトナムでメジャーな駆虫薬 “Fugacar”

3. “Fugacar” の使用方法と頻度

定期的な駆虫(予防や軽度の感染)目的なら、”Fugacar 500mg” を1錠、1回服用でOKです。食事の影響を受けにくいため、食前・食後どちらでも大丈夫です。また、空腹時がより効果的とも言われています。

ただし、感染している虫の種類によっては、数日間の服用が必要なこともあります。

・回虫/鉤虫/鞭虫 ⇒ 通常は “Fugacar 500mg” を1錠でOK。
・蟯虫 ⇒  “Fugacar 500mg” を1錠1回服用後、2~3週間後に再服用が推奨。
・重度の寄生虫感染/多重感染が疑われる ⇒ 医師の指示のもと、”Fugacar 500mg” を1錠1回3日間連続で服用。
・条虫/住血吸虫/特殊な寄生虫 ⇒ “Fugacar 500mg” では効果が限定的で、他の薬が必要になる

"Fugacar" は錠剤タイプです。
“Fugacar” は錠剤タイプです。

4. “Fugacar” の副作用と注意点

時に、副作用として「腹痛、吐き気、一時的な下痢」などを起こす場合があります。また、長期使用では稀に「肝機能障害、血球減少、アレルギー反応」が発生する可能性もあります。そのため、2歳未満の子供や妊婦、薬剤過敏者は摂取を控えるか、摂取前に医師に相談してください。

中には説明書があるため、念の為、翻訳で読むことをおすすめします。
中には説明書があるため、念の為、翻訳で読むことをおすすめします。

5. ベトナム人の実体験による注意点

大手不動産開発のビングループ社傘下の国際病院である “Vinmec” のQ&Aにおいて、1年間3回服用しても排虫が続くケースがあったと報告</a&gt;がありました。これは、長期的な治療が必要な重度なものは、 “Fugacar” では治療が難しいということがわかります。

また、VNExpress の過去の記事において、“Fugacar の偽造品”が流通したとの報告</a&gt;もありました。安価だからといって販売者が不明確なネットでの購入は避け、正規薬局店での購入をおすすめします。

6. 規則正しい生活と駆虫薬で事前予防

加熱した食べ物であれば、まだ安心かもしれません。しかし、サラダに使用される野菜などは生野菜です。自炊をする場合、生野菜などは十分に水洗いをしてください。

しかし、いくら洗っても寄生虫の卵が野菜に付着することはありますが、一方で人は様々な免疫力を持っています。十分な免疫力を発揮するためにも、日頃から運動と十分な睡眠を取り、健康的な生活を心がけて下さい。

体に異変が起こる前に、定期的に駆虫薬(今回は最もメジャーな “Fugacar” を紹介しました)を摂取し、日頃から予防することをおすすめします。