【現地情報】ベトナムの製薬会社|ダナン支店の営業許可剥奪へ

【現地情報】ベトナムの製薬会社|ダナン支店の営業許可剥奪へ

2025年8月12日、ダナン人民委員会のグエン・ティ・アイン・ティ副主席は、ハノイに本社を置く、有限会社 Novopharm のダナン支店に対し、営業許可の剥奪および営業停止処分を決定しました。

そこで今回は、この記事を参考に、事件の背景や法令遵守の重要性を解説します。

行政処分の内容と理由

調査により、同社のダナン支店では以下の重大な違反行為が発覚しました。

  • 薬品をラベルに記された適切な保存条件では保管していなかったこと
  • 医薬品販売に必要な「営業適格証明書」が未取得であったこと

これらにより、ダナン市は罰金220,000,000 VND(約130万円)を科すことに。さらに、医薬従事者の証明書を4ヶ月15日間使用停止に、営業活動を7ヶ月15日間停止に命じました。
参考:Dân Trí

背景と関連事案

今回の事案は、ダナン市が製薬業界に対し、法令遵守の強化を示す重要なシグナルです。

同市では7月、別企業「株式会社 Dược Trung ương 3」に対し、処理基準を逸脱した医薬品廃棄に関して、97,000,000 VND(約58万円)の罰金を科すなど、違反行為への厳格な対応が続いています。
参考:Tuổi Trẻ

日系法人が押さえるべきポイント

ここ最近、ベトナムでは行政処罰の発表件数が明らかに増加傾向です。特に製薬・食品・環境関連など、健康や安全に直結する分野は顕著です。実に、違反行為への迅速かつ高額な罰金、営業停止処分が下されるケースが目立ちます。

これは単なる「業界固有のリスク」ではなく、ベトナム全体の行政運用の厳格化を示します。企業がこの動きを軽視すると、以下のような経営上のダメージが生じます。

  • 営業停止による機会損失
    製造・販売活動が数か月単位で止まれば、売上だけでなく市場シェアの喪失へ。
  • 評判・ブランド価値の毀損
    違反情報は公式発表としてメディアで広く拡散されるため、B to B・B to C の両面で信頼低下へ。
  • 行政機関との関係悪化
    一度違反処分を受けると、以後の許認可・査察対応が厳格化される傾向が強い。

実務上の対応策

以下の3つの観点で早期対策を行うことが対応策としては有効だと考えられます。

  • 定期的な法令遵守チェック
    業界ごとに異なる許可・証明書の更新期限や取得条件を、法律事務所やコンサルタントと定期確認。
  • 現場レベルでの運用監査
    保管温度・ラベル表示・廃棄手続きなど、現場オペレーションが規定通りか第三者視点で監査。
  • 行政動向のモニタリング
    地方政府や業界団体の発表をチェックし、他社事例からリスク傾向を予測。

おわりに

事件や事故といった処罰案件の実例を通してリスク管理に備えることは有益です。そして、今回のブログを通してベトナムの情報を知るきっかけとなれば嬉しいです。

ベトナム進出に対し、現地のリアル情報が必要な場合は、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。