
【現地情報】ベトナムの銀行送金方法|日本への送金は可能?
ビジネスでも個人でも、現地から日本への送金が必要になる場面があります。しかしベトナムは外貨管理が厳しい国の一つです。日本と同じ感覚で送金することはできません。
今回は、現地銀行送金の方法・必要書類・注意点を解説します。
ベトナムから日本への送金は可能?
基本、送金は可能です。ただし、送金できないケースもあります。また、日本や他国に比べると、条件と手続きが厳格です。
外貨管理の基本ルール
- ベトナムドンは原則国外持ち出し禁止
- 外貨送金には送金理由を証明する書類が必須
- ベトナム国内で合法的に得た収入のみ送金可能
つまり、ベトナムドンを外国へ送金する場合は、明確な理由と正確な出処証明が必要です。
銀行送金の手順
ここでは、現地銀行口座から日本の銀行口座へ送金する一般的な流れを解説します。
*銀行によって、また担当者によって提出書類が異なる場合があります。以下情報は、実体験によるものです。
①送金先情報を準備
- 日本側銀行名・支店名
- 口座の種類
- 口座番号
- 受取人口座名義(英語表記)
- SWIFTコード
- 送金目的
SWIFTコードは外貨送金のために必要なコードです。各銀行が必ず持っていますので、事前にネットで調べておきましょう。
②必要書類を準備
送金額や理由により異なりますが、基本的に以下が求められます。
個人送金の場合
- パスポート
- ベトナムでの収入証明(給与明細、雇用契約書など)
*法定代表者や株主の場合は、役職選任決定書 - 納税証明書(必要な場合)
- 送金依頼書(銀行窓口で作成)
個人だと、給与の一部を送金することが多いと思います。その場合、給与受取の銀行の窓口で手続きするのが便利です。
法人送金の場合
- 法人登記証明書
- 税務申告書または納税証明書
- 取引契約書や請求書(送金理由証明)
③銀行窓口で送金申請
- 送金目的に応じた書類を提出
- 高額送金の場合、ベトナム国家銀行(中央銀行)承認が必要なケースもある
大手銀行だと、窓口に行くと外貨送金を案内する英語が流暢なスタッフがいることも多いです。「日本へ送金したい」旨を伝えましょう。
④送金完了までの期間
通常2~5営業日です。承認が必要な場合はさらに日数を要します。
手数料
銀行により異なり、また中継銀行手数料が別途差し引かれる場合がありますが、以下が一般的です。
-
送金手数料:約3,500円〜8,000円
注意点
送金額から手数料が引かれるケースと、別途支払いになるケースがあるため、事前に銀行窓口で確認してください。
その他の送金方法
①Wise
- オンライン送金サービス
- 銀行よりも手数料が安い
- ただし、ベトナムドンから直接送金は不可で、USDアカウントが必要
②Western Union
- 世界的な送金サービス
- ベトナム国内の多くの銀行や代理店で利用可能
- 手数料は高め
③ベトナム人を介入させた非公式送金
市場では手数料格安で送金してくれる業者が存在します。また、個人依頼として日本にいるベトナム人と現地ベトナム人を介して行う連携法もあります。ただし、これらは違法送金に該当し、リスクが高いため、利用しないでください。それでも行う場合は、ご自身の責任のもとでお願いします。
送金時の注意点
- 外貨管理規制違反は重罰対象
- 正当な書類を揃える必要がある
- 送金額が大きい場合は、事前に銀行担当者に相談
- 送金理由が給与送金の場合、雇用契約書+納税証明のセット提出が一般的
これらの注意点を頭に入れた上で、銀行窓口に行きましょう。
MISSION.Hからのアドバイス
7月1日より、「お金」に関する不正への取り締まりが一段と強化されています。そのため、ベトナムドンの外国送金は手数料が高くても、正式な手続きである「銀行窓口へ行って送金」することをおすすめします。
また、銀行ごとに対応や解釈が異なったり、窓口担当者の裁量に依存することもあります。毎回言われることが違うということもあります。そのような問題をできるだけ回避するには、ご自身が登録している銀行の窓口で送金依頼するのが、最も話が通りやすいです。
とは言え、銀行窓口で色々やるのは言葉もわからないし不安…という方、同行したサポートも可能ですので、いつでもお気軽にご連絡下さい。