【体験談】日本とベトナムの「時間感覚」の違いに驚いた話

【体験談】日本とベトナムの「時間感覚」の違い

「10時集合ね」

日本なら「10時ぴったりに来る」が前提。でも、ベトナムではそうはいきません。

ベトナムに移住してすぐの頃、まず感じたカルチャーショックのひとつが、“時間感覚の違い”でした。
今回は、実際に現地で体験したエピソードを交えながら、この違いについてお伝えしたいと思います。

「10時集合」は“目安”であって“厳守”ではない。

ある日、現地のパートナーと打ち合わせがあり、午前10時にカフェで待ち合わせをしました。
私は日本人らしく、9時55分に現地に到着。席を確保してコーヒーを飲みながら待ちました。

10時を過ぎても…来ない。
10時15分、まだ来ない。
10時30分、「あと5分で着きますね」というメッセージ。
そして最終的に到着したのは10時45分。

最初は「舐められてるのかな?」と思いました。
でも、同じようなケースが何度も起こるうちに、これは“文化”だと気づきました。

あえて遅れて行ってみた。

そんな感じで時間を守らない人は多い。なので今度はあえてこちらが遅れて行ってみました。

すると、約束時間の15分過ぎくらいにメッセージが。ごめん!

「たぶん5分くらい遅れそう」
(遅れそう…?もう遅れてるけど。(笑)「OK!こちらも遅れるから大丈夫!」

よしこれは10時45分コースだと思い、10時45分に到着。
すると相手はもう席に座っていました。

「あれ?もう着いてたんだ!」
「うん。さっき着いたよー!」

彼らは遅れることに慣れているようで、こっちが遅れても何も違和感はなし。

やっぱり時間意識の違いは文化から来るものだと認識しました。

ベトナムでの時間感覚は「柔軟さ」が前提に。

日本では「時間を守る=信頼」ですが、ベトナムでは“時間は流動的なもの”と捉える文化が根強いように感じます。

もちろん、すべての人が時間にルーズというわけではありません。ただ、以下のような傾向は確実にあります。

・遅刻があっても謝らない(悪気がない)
・予定時間に間に合わなさそうでも事前連絡はほぼない
・「今向かってます」は、まだ家を出ていない可能性もある

この背景には、バイク社会による移動時間の読みにくさや、日常における時間への“おおらかさ”もあると思います。

ベトナム人にとっての“信頼”とは。

日本の場合、時間を守らない=信頼できない、と判断されるケースが多いです。しかしベトナムでは違います。
ベトナムでは以下のような行動の方が信頼を左右します。

・困っている時に助ける
・約束した内容を遂行する
・フレンドリーで誠実に接する

時間よりも「人としての誠実さ」や「現場での対応力」の方が重視されるという印象です。
その意味で、日本的な“きっちり”、“ちゃんと”が通用しない場面がほとんどです。

中には、意外と時間に厳しいベトナム人も。

中には時間を守るベトナム人もいます。その傾向として、次のようなベトナム人に見受けられます

・外資系企業勤務のベトナム人(特に日系企業)
・富裕層・教育レベルが高い層(外国文化に柔軟かつ頻繁に接する層)

このようなベトナム人は、時間意識が割と高く、予定時間よりも早く来ることも目立ちます。
文化は習慣から来ていますので、普段から他文化と接する習慣があると状況は変わるように思います。

日本人としてどう対応するべきか?

この文化差にストレスを感じる日本人も少なくないと思います。
私自身も最初は戸惑いました。でも、今では次のような対応を心がけています。

・「15分の遅れは想定内」と考えてスケジュールを組む
・重要な予定は前日にリマインドする(予定を忘れられるケースもあります)
・「午前中に会おう」は「10:00〜11:00」の幅で予定を組む
・“遅れてくること前提”で、待ち時間を有効活用する準備をする
・8時〜8時30分出勤という部分的フレックス制を導入する(ビジネスの場合)

大切なのは、「イライラする」のではなく、文化として理解して柔軟に合わせていく姿勢です。
そうすることで、逆にストレスは激減し、相手との関係もスムーズになります。

時間を守るかより、心を通わせる。

日本とベトナムでは、時間感覚に確かに大きな違いがあります。
でも、それを“良い・悪い”ではなく、“違い”として受け入れることが、現地でうまく生きていく第一歩です。

時間に厳密な日本人としての長所を活かしながら、ベトナムの“ゆるやかな時間”の中で生きる術を身につける。これが、海外生活を楽しむコツなのかもしれません。

MISSION.Hでは、こうした現地文化とのギャップを乗り越えるためのリアルな情報とサポートを提供しています。
ベトナムの生活やビジネスの場面で戸惑っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。