
【ベトナム進出/移住】「数字に出ない情報」の大切さ
なぜ、その「事前調査」は失敗するのか?
海外進出を検討する際、「事前調査」の重要性は誰もが認識しているでしょう。しかし、残念ながら多くの日本企業は、この最初のステップでつまずきます。その結果、せっかくの海外展開が期待外れに終わったりするケースが後を絶ちません。
なぜ、そうした事態が起こるのでしょうか。そして、私たちは本当に意味のある「事前調査」とは何かを理解できているのでしょうか。
私自身、日系企業で海外事業部を立ち上げた頃、「本当に生きた情報」を得ることの難しさを痛感しました。どこから情報を得ればいいのか、何が正しいのか、どこまで任せればいいのか。暗中模索してた頃の経験が、今私が「限りなく本当を追求する」サービスを提供する原点になっています。
日本企業が陥りがちな「事前調査」の落とし穴
私はハノイに住んでから、日本人、ベトナム人、ロシア人、ウクライナ人、アメリカ人、イギリス人、中国人、韓国人、インド人、オーストラリア人、と様々な人種の人たちと交流する機会があります。その中で感じるのは、ベトナムにおける日本企業の「弱さ」です。おそらく、今の日本の成長度からすれば、ベトナムだけの話ではないと思います。具体的に、以下のような海外進出における残念な傾向が見られます。
・「お金をかけない」という判断の危険性
海外進出の事前調査を「コスト」と捉え、できるだけ費用を抑えようとするのは自然なことかもしれません。しかし、現地のリアルな情報を得るためには、それなりの投資が必要です。
市場の規模、競合の動向、法規制、消費者のニーズ、商習慣など、表面的なデータだけでは見えてこない「生きた情報」こそが、成功の鍵を握ります。そして、そのことを多くの外国企業は理解しています。
ここに投資を惜しむことは、未来の大きなリスクを招くことになりかねません。小さく始めて安全牌を切るつもりが、実は大きな落とし穴にはまっている、そんなケースをこれまで何度も見てきました。
・「それっぽいコンサルタント」への依頼と弊害
海外での調査を外部のコンサルタントに依頼する企業も多くあります。その際、「指示を出す日本人と、ただ言われた通りに動く現地スタッフ」という構図で進められるケースはよくあります。
これでは、果たして現地の真の空気感や文化的な背景まで深く掘り下げられるでしょうか。残念ながら、多くの場合、数字をまとめただけの「それっぽい」報告書が上がるにとどまります。本当に、あなたのための必要な示唆やアドバイスは得られません。
現地の文化を理解し、その土地で実際に生活する。そして自ら実行するからこそ見える「数字に出ない情報」こそが、本当に価値のあるものです。
・データ偏重主義が招く「真実との乖離」
「データ化された客観的な情報」は確かに重要です。しかし、海外市場においては、数字だけでは決して語れない「人の感情」や「現地の慣習」、「無意識下のニーズ」といったものが非常に大きな影響を及ぼします。
「数字」は、一見すると網羅的で科学的ですが、その背景にある生身の消費者の声やビジネスの現場で起きていることを捉えられていなければ、実態とはかけ離れた結論を導き出してしまう可能性があります。
日本人のマインドには「良いものを作れば売れる」というものが無意識化の中にあります。しかし、多様な価値観を持つ海外市場では、それだけでは通用しません。日本企業が海外競争力に課題を抱えているのは、このあたりの認識の甘さから来ている部分も大きいと感じます。
例えば、ベトナムで韓国企業が良い製品を安く提供し、巧みなマーケティングで市場を席巻しているのは、徹底した現地調査と市場への適応力に裏打ちされているからに他なりません。
「現地」に赴き「空気感」を掴む
上記のような課題を乗り越え、海外進出を成功させるために不可欠なことがあります。それは、現地の「空気感」を肌で感じ、数字だけでは見えてこない「リアル」を掴むことです。
・事前調査には投資をする
これは、将来の大きな成功のための不可欠な先行投資です。小さく始めることは大事です。ですが、お金をかけるべきところとそうでないところを見極めるべきです。質の高い情報収集には、時間も労力も、そして適切な費用もかかります。この投資を「安全牌」ではなく、未来への「確実な一歩」と捉え直すことは重要です。
・現地の空気を肌で感じ、生の声を聞く
あなた自身、あるいは信頼できるパートナーが、現地の空気を肌で感じて生の声を聞くことが必要です。インターネット上の情報、Chat GPTなどのAI上の情報、形式ばった報告書だけでは不十分です。現地の市場の熱気、人々の表情、街の匂い、そしてビジネスを巡る独特の慣習といったものは、実際にその場に身を置くことでしか感じ取ることができません。これこそが数字に出ない情報であり、戦略を定める上での限りなく正しい情報に繋がります。
国際競争力を高めるために
日本が国際競争力を高め、世界市場で存在感を発揮するためには、旧来のやり方を見直し、もっと深く、もっと泥臭く、そしてもっと「現地」に入り込む覚悟が必要です。
・違いを理解する
特に、ベトナムは日本とは大きく異なる性質を持つ国です。日本人の方から「ベトナムは昔の日本と似ている」ということをよく聞きます。日本の大企業による工場移設、国家主導のインフラ整備への参画で、日本らしい部分もあります。また、ベトナム人の人懐っこさや考え方や距離感から、昔の日本という印象を持つかもしれません。
しかし、それは表面的な情報です。ベトナム人と毎日コミュニケーションを取ってみてください。彼らの行動をよく見て下さい。彼らが品質以上にスピードと利便性を追求しているかを深いところで感じてみてください。徐々に日本とは違うということがよく理解できると思います。
・現地の情報から考える
現地の「生きた情報」と「空気感」を、あなたのビジネスに活かすことをおすすめします。データに表れる数字的な情報は確かに大切です。しかし、それは数字が正確に取得された場合に限ります。
時に、それっぽい数字が誤った判断を招く恐れがあります。その数字は本当に正しい数字なのか、価値のある数字なのか。
リアルな情報を入手したい。何の情報が必要なのかわからない。そんな時には、私がリアルな事前調査で、あなたの海外進出や移住のお手伝いができれば幸いです。