ベトナム行政区画再編案可決

【現地情報】ベトナム行政区画の再編

行政区画の再編案可決

2025年6月12日の国会にて、2025年に省レベルの行政区画の再編に関する決議が可決されました。決議によると、4つの市と48の省を含む52の省レベルの行政単位が統合され、23の新しい省レベルの行政単位が形成されます。

(参考:Nhân Dân

結果として、ベトナム国は28の省と6つの市を含む「34の省レベルの行政単位」を持つことになります。具体的に新しくなる行政単位をまとめておきました。

変更のない行政区画

市/省 名称 km2 人口
Thành phố Hà Nội 3,360 8,453,650
Thành phố Huế 4,947 1,160,220
Tỉnh Lai Châu 9,068 482,100
Tỉnh Điện Biên 9,540 633,980
Tỉnh Sơn La 14,109 1,300,130
Tỉnh Lạng Sơn 8,310 802,090
Tỉnh Quảng Ninh 6,208 1,362,880
Tỉnh Thanh Hóa 11,114 3,722,060
Tỉnh Nghệ An 16,493 3,416,900
Tỉnh Hà Tĩnh 5,994 1,317,200
Tỉnh Cao Bằng 6,700 543,050

新しくなる行政区画

市/省 名称 km2 人口
Tỉnh Tuyên Quang 13,795 1,731,600
Tỉnh Lào Cai 13,257 1,656,500
Tỉnh Thái Nguyên 8,375 1,694,500
Tỉnh Phú Thọ 9,361 3,663,600
Tỉnh Bắc Giang 4,718 3,509,100
Tỉnh Hưng Yên 2,515 3,208,400
Thành phố Hải Phòng 3,194 4,102,700
Tỉnh Ninh Bình 3,942 3,818,700
Tỉnh Quảng Trị 12,700 1,584,000
Thành phố Đà Nẵng 11,832 2,819,900
Tỉnh Quảng Ngãi 14,832 1,861,700
Tỉnh Gia Lai 21,576 3,153,300
Tỉnh Khánh Hòa 8,555 1,882,000
Tỉnh Lâm Đồng 24,233 3,324,400
Tỉnh Đắk Lắk 180,946 2,831,300
Thành phố Hồ Chí Minh 6,772 13,608,800
Tỉnh Đồng Nai 12,737 4,427,700
Tỉnh Tây Ninh 8,536 2,959,000
Thành phố Cần Thơ 6,360 3,207,000
Tỉnh Vĩnh Long 6,296 3,367,400
Tỉnh Đồng Tháp 5,938 3,397,200
Tỉnh Cà Mau 7,942 2,140,600
Tỉnh An Giang 9,888 3,679,200

行政区画再編によるメリット

ベトナムの新しい行政区画再編には、以下のような多くのメリットが考えられます。

1. 行政の効率化と簡素化

中間行政層(郡・県・区レベル)を廃止し、省レベル(省・中央直轄市)と社レベル(坊・社・特区)の2級制に移行します。そのため、行政機構を大幅に簡素化します。これにより、意思決定プロセスが迅速化され、官僚主義が削減されます。

また、この再編は過剰な公務員の人員整理を目的としています。具体的には、政府の給与を受け取る職員の数を少なくとも20%削減する目標が設定されています。これにより、国家予算の負担が軽減されます。

また、重複する部署や機能をなくし、責任の所在を明確にして行政サービスの提供における混乱を避けることが可能になります。

2. 経済発展と投資環境の改善

複数の省と市が統合されることで、より広い開発空間が生まれます。そのため、地域内および地域間の連携が強化されます。これにより、各地域の比較優位性を活用し、経済的魅力を高めることができます。

また、統合により、より大きく実行可能な経済圏が形成され、インフラや産業への投資誘致を強化することができます。類似の経済的強みを持つ省を連携させることは、地域開発戦略の調整を容易にし、競争優位性と成長可能性が向上されると考えられます。

さらに、行政区画の境界がなくなると、資本や労働や技術の自由な流れが促進されます。その結果、既存資源の最適化が図られます。

3. 公共サービスの向上と国民生活の改善

効率的な政府構造により、公共サービスの提供が強化されます。そして、ベトナム国民はより便利に行政サービスを受けられるようになります。例えば、各コミューンに「公共サービスセンター」を設置し、住民が身近な窓口で行政サービスを一括して受けられるという構想があります。

また、無駄をなくし、公共資金の節約を図ることで、インフラ投資や科学研究など、国民の利益に直結する分野への資金投入を増やすことができます。不要になった政府庁舎を医療、教育、文化施設など公益目的へ転用する方針も示されています。

さらに、郡レベルの裁判所が廃止されることで、事件が直接上級裁判所で扱われるようになります。その結果、判決の整合性と質が向上する可能性が生まれます。

おわりに

ベトナムのように成長する国は、変化スピードも早く、積極的に変わり続けます。これは、ベトナムがより近代的で効率的、かつ分権化された行政モデルへと移行することを表しています。

今後、持続可能な発展と国民生活の向上が図られることを祈るばかりです。